マズローの欲求5段階説
2023年01月29日
日々一生懸命に仕事をする利用者の皆さん。
そんな彼らに何かイキイキとできるお仕事を少しずつ増やしていかなきゃなーとボッーと考えていたある日、ある利用者の方がお願いしていた仕事を終えた報告に来てくれた。嬉しそうに遠くから振るその手は真っ黒になっていた。大雪の中でも椎茸の仕事は毎日やってくる。今日は浸水といって椎茸の培地を冷たい水が入ったタンクから出して、また入れるという作業をしていた。いつも中心的に動いてくれる利用者の方がお休みの日で、少ない人数で頑張っていたのだ。僕がお疲れ様と声をかけ、手冷たかったよねと言うと、その彼は「いいのいいの!今日は〇〇ちゃんがいないからみんなで頑張らないと!」と言ってくれた。気分によってムラがあることもある彼だが、やるときはやる男なのである。そして「これ頑張ったらお給料もらって、お出かけで好きなバック買えるもの」と付け加えて去って行った。ふと僕は昔大学で学んだマズローの欲求5段階層説を思い出した。それは、欲求には階層があって下から基本的な欲求で自己実現へと移行する過程のようなものを示しているのである。例えば、彼の自己実現が買い物で好きなものを買うとして、そのために頑張ってるんだーという部分を就労サービスで支えているんだと終わるのはわかりやすい、簡単だ。しかし、それを知ることも素晴らしいが、仕事を通じて誰かに必要とされてイキイキと自信を持っていることや他者との人間関係でのときに葛藤や自分が誰かを支えるんだと責任感を持ったり、選択したり感情を引き出すこと。これが当たり前にできる人生を、欲求を、支えることこそが支援で一番の意義があり面白い部分なのかなと思った。欲求は生活の安全安心であり、誰かを愛したい、愛されたいでもある。それを当たり前に体験、保証するっていう視点は生活、余暇、就労と支援場面が変わっても共通して大事にしたい部分だなと、毎日泥だらけになって仕事を頑張っている彼らの手を見て今回は感じました。