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距離感と自信

2023年07月26日



梅雨になる前のとある日、ある職員から園長が現場に来られたんだよ!と言われた。

いろいろと忙しい園長がなぜ?僕に打撃指導でもしにきてくれたのだろうか?と不思議に思っていたら、遠くからドタドタと忙しい足音が聞こえた。その足音は、今年からハウス部門に加わったAさんだった。

一般就労していたが、いろいろとあってこの就労Bに通うようになっていた。そのAさん、あまり言葉が聞きとれないのだが、本人は一生懸命に何かを伝えてくる。

何?と思っていると、先程の職員が「だから、園長がAさんの様子を見に来られたんだって」「ね?Aさん」と。Aさんも嬉しそうに頷く。

Aさんの言っていることがすぐに理解できるその職員もすごいが。

園長は、「Aさん、仕事頑張っとるかー?」と声をかけてくれたらしい。

そのことが嬉しかったAさん。その日の午後はいつも以上に動きが機敏だった。その日からなのか、Aさんは積極的に職員に今日の仕事について質問するようになった。

Aさんは、グループホームで暮らしていて、そこでは自分のことは無頓着らしい。そんなAさんがきちんと仕事をしているのかびっくりする人もいたが、彼は今ふじなみで一生懸命にびちゃびちゃになりながら培地に水をやり、手を泥だらけにしながら草をむしっている。カッパも手袋もつけないポリシーらしい、、

最初来たときは、あまり作業をやりたがらなかったし、自分から話をしなかったが、職員と話し合って、いろんな仕事をやってみてもらって、得意なことと繋がった仕事内容では、本人の器用さや几帳面さが今役に立っている。

そのおかげで、たくさん栄養をもらった培地はたくさんのしいたけを出した。

Aさんはたまに口癖のように、園長、見にきとったわと言う。もう何ヶ月も前のことなのに、、、、

自分のことを見ていてくれるという安心感というか、頑張ればわかってくれるという思いが仕事への意欲、自信に繋がっているのかなとAさんを見ると思う。

そういう意味では、園長に、自分じゃ出し得ない必殺技のモニタリングを見せてもらった気になった一職員なのでした。

たくさんの利用者の方を幸せにするためには、まずは1人の利用者の方とちゃんと向き合わなきゃならないなーと感じさせられました。

最近は自信がついたのか、Aさんありがとうと言うと、職員の方も見ず、背を向けて手をあげて「おぅ!」という感じです。

支援をすることって身の回りの世話、介護といった、してあげられることではなく、本人の知らぬ間に自信をつけて日々を過ごしてもらうことなのかもしれないなと感じる今日この頃です。
今回は投稿が長くなりましたが、個人的にかつて恩師に言われた「支援者とは出過ぎて中心にいることではなく、環境をプロデュースして影でにやにやと笑うことだ」という言葉を思い出しました。